学校コンサルティング
学校改革を阻む4つの問題点
弊社と母体となる塾では、お付き合いのある高校から、様々な問題について長年に渡りご相談をいただいて参りました。その経験から、高校が抱える問題は以下の4点が複合的に作用して生じると考えています。
組織の機能不全
高校は内部に様々な下部組織を持ちます。英語、数学など個別の教科の運営を統括する「教科会」や、生徒の素行管理を行う「生徒指導部」など、名前は異なれどもほぼすべての高校が同様の機能を備えています。そのうちのどこかの部署が機能不全を起こした場合、その影響は気がつけば学校全体に広がってしまいます。
例えば、急速に進学校化したある高校では、大学受験を統括する進路指導部が旧来の進学困難校時代の方法論を墨守したため、ほぼ機能停止に陥っていました。すると、その仕事のしわ寄せは担任にのしかかり、オーバーワークを引き起こします。結果として担任の不平不満から、「進学校推進派」と「守旧派」の対立が表面化することとなりました。いわば校内が「割れる」結果となったため、学校改革は足踏みを強いられることとなります。
職員のモチベーション低下
様々な(上述した組織の機能不全も含む)原因から、職員のモチベーションが低下した場合、それを回復するためには長い時間を要することとなります。
決められたパターンの一年を繰り返すスタイルの仕事である教職においては、ルーティンワークだけで仕事を進めることが他の業種よりも容易であるといえます。それは裏を返せば先生方一人一人のモチベーションによってしかルーティンワークを脱することができないということです。ですから、一度先生のモチベーションが低下すると、それはルーティンワークを求める動きにつながり、最終的には「変革を拒む動き」に帰結します。校長先生が魅力的な学校変革プログラムを掲げても、中堅層からベテラン層の先生方がそれをあの手この手で無力化してしまい、十年一日のごとく同じ日々が繰り返される。このような状況を幹部の先生方からご相談いただくことが非常に多いのが現状です。
受験指導の低迷
難関大学を狙える生徒の数が一桁程度の学校の場合、受験指導はいわば「抱え込み」によって行うことが可能です。進学指導にやる気を持つ一人の先生が特定少人数の生徒をマンツーマンで見続けて力業で合格させるのです。しかし、学校のレベル上昇に応じて難関校を目指す生徒が増えたとき、「抱え込み」戦略は二つの点で壁にぶつかります。一つ目は人数面でキャパシティオーバー。そして二つ目は「抱え込み」以外のやり方(組織的な指導ノウハウ)を知らないことから来る迷走です。その結果は「とにかく課外授業数を増やす」ことであったり「大量の課題を出す」ことであったりしますが、これまでのマンツーマン指導から生まれる生徒と先生の信頼関係がない上で負荷をかけても生徒はついてきません。また、優秀な生徒の増加による志望校の多様化に対応することも一人では限界があります。結果として、「抱え込み」戦略のノウハウを持った先生が一人悪戦苦闘するも結果はでず、その先生は徐々に学内で「浮き」はじめることとなります。
生徒・保護者のロイヤリティ低下
伸びない進学実績、漏れ聞こえる学校内の不協和音。これらが口伝えで生徒・保護者へと広まったとき、彼らの中に「本当にこの学校でよかったのか」という疑念と「もっとしっかり面倒を見てほしい」という不満が生まれます。このような不満は、上述した問題を抱えていれば当然ですが、学内に問題がなかったとしてもちょっとしたきっかけから自然発生的に生まれてくることもあります。特に生徒の第一志望ではない、二番手校、三番手校としての位置づけがなされていることが多い私立高校においては、生徒・保護者ともに入学時から言語化できない不満の種を持っていますから、どんな些細な問題であっても、それをきっかけに不満は高まっていきます。
このような不満を抑え、逆に賞賛に変えるためには、積極的な学内広報が必要です。何か新しい試みを行った場合、その試みを明確に「宣伝」する必要があります。しかし、元来が「教育者」である先生方にとって、宣伝の仕事はなかなか難しいものです。弊社はこれまで様々な学校を取材してきましたが、「これは凄い試みをされているな!」と感動した取り組みが、実際に通っている生徒やその保護者に尋ねてみると全く浸透しておらず、むしろ不満を抱いていた、というのは非常に多い事例です。
弊社「アヴァンタージュ」プログラム
弊社の学校改革アシストプログラムでは以下の活動を通して、この4つの問題点を抑えて御校の学校改革完遂を支援します。
教員意識改革推進ワークショップ
ルーティンワークを脱し、理想の学校作りのために変革を求める動きを涵養するワークショップです。年間に8回実施します。通常の講義型研修と異なり、会の中では議論や計画立案を行い、事前課題も出されます(個別フィードバックあり)。
対象:全教員
時間:1回約90分~120分
実施例
第1回 | 進学校になるための条件とは1 なぜ進学校化が必要なのか |
---|---|
第2回 | 進学校になるための条件とは2 進学校に必要な人材・設備・組織 |
第3回 | 生徒の学力アップをはかる指導法1 生徒に「理屈」を伝える |
第4回 | 生徒の学力アップをはかる指導法2 生徒の「時間感覚」を拡張する |
第5回 | 生徒・保護者にアピールする授業1 AL型授業概説 |
第6回 | 生徒・保護者にアピールする授業2 AL型授業実践 |
第7回 | 進学校にふさわしい教師のあり方1 受験テクニック“以上”のものを持つ |
第8回 | 進学校にふさわしい教師のあり方2 風通しのよい組織を築く |
保護者会運営アシスト
ルーティンワークとしての保護者会から、「広報宣伝の場」としての保護者会へ。保護者会の内容、実施時期の選定、話者のパフォーマンスについてアドバイスします。ご要望に応じて弊社職員が実際に会に話者として参加し、「外部の人間」の立場から御校の取り組みを紹介することも可能です。
実施例
4月 | 高1対象保護者会 |
---|---|
5月 | 前年度入試結果報告会(弊社職員「○○年度入試の全体概要」を講演) |
7月 | 高3対象保護者会(弊社職員「夏の過ごし方」を講演) |
12月 | 全学年対象保護者会(弊社代表「○○高校の取り組みと評価」を講演) |