学校の新たなライバル – 株式会社ARCS
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新世代の学校

学校の新たなライバル

新たな選択肢の登場

ごく最近まで、教育産業は絶対不可侵のシステムである学校と、それを補完する民間の教育機関(塾・予備校)という二つの機関によって寡占されてきました。学校に通いながら塾に行き、入試戦争を勝ち抜いて大学に行き、いい企業に就職するというのが定められた進路であり続けました。しかし、この状況が今あきらかに変わろうとしています。

「大学進学」の変化

日本の教育制度においてまず変化の波を強く受けるのは大学進学についての考え方でしょう。これまでは高校の宣伝文句に過ぎなかった「海外の大学進学」が近年最上位校において本格化し、明らかにただの宣伝以上のものとなっています。

これまでの日本社会の絶対基準であった東大・旧帝大を頂点とする学歴ヒエラルキーは今や過去のものになりつつあります。よく誤解を受けるところですが、海外大学は東大や京大の「上」の学歴ヒエラルキーではありません。日本のヒエラルキーとは別のところに存在するオルタナティブ(第二の選択肢)なのです。実際に海外大学を目指す生徒達はその理由として「やりたいことができるところを探したら海外だった」といいます。決して「東大の上に行きたいから」ではないところがポイントです。

これは戦後すぐの「大学に行かないのが当たり前」から高度経済成長期以降の「大学に行くのが当たり前」への変化と同種の「マインドの変化」なのです。

「高校の位置づけ」の変化

大学進学に関するマインドの変化と同様に、高校進学についても変化が見られるようになってきました。無理して高校に行く必要が無い、と考える生徒や保護者の登場です。これまでの学歴ヒエラルキーにおいて当たり前だった「いい高校に行っていい大学に行く」という流れが変わろうとしています。

弊社の母体となる塾は40年近くにわたって最難関高校を受験する生徒達の指導を行ってきましたが、実は生徒よりも保護者の意識の変化が顕著です。

現在の中・高校生保護者となる四十代〜五十代前半は、父親が働き母親は専業主婦で子供の教育は母親が担う、という典型的な役割分担を持たず、父母ともに社会の第一線で働き子供の教育も一緒に見る人々です。そのため、父母ともに社会の変化を肌で感じています。これまでの社会の当たり前である終身雇用の崩壊や学歴至上主義の崩壊を身をもって体験した彼らは、それらを作りだし、また奉仕してきた教育制度の「当たり前」も崩壊して行くであろうことを理解しているのです。

通信教育やフリースクール、あるいはそれらにもいかずに独学で学び資格を取って大学に行く。この選択肢は旧来であれば「ドロップアウト」でしかありませんでしたが、現在は検討に値するオルタナティブ(第二の選択肢)に入りつつあります。