いよいよ学校行事(文化祭・体育祭)もすべて終了し、残すは大学入試のみとなってきました。10月半ばから11月にかけては推薦入試の本番が設定されていますが、それ以外には特に大きなイベントはありません。この時期に行うべきことはシンプルに「一般入試プランの決定」です。

恐らくこれまでの段階で学校の担任の先生、塾の講師と生徒が何度か打ち合わせをし、ほぼ形はできあがりつつあると思いますが、念のため典型的な入試プランの組み方を説明しておきます。

受験する大学学部は10校前後

定員管理の厳格化により近年の入試状況は非常に厳しいものとなっています。一昔前の「けっこう受かる」入試と異なり、片っ端から落とされるのが当たり前の情勢です。その結果、合格確保を目指して各生徒が併願校の数を増やす戦略に出てきました。そしてこの併願校数増加がさらなる倍率の上昇を生み、と受験生には辛い流れが続いています。

しかし、流れがそうなっている以上乗るしかありません。これまでであれば5〜6校で済んでいた併願校数を約倍の10校前後に増やして戦っていく必要があります。

数年前からウェブ出願が普及したこともあり、出願手続き自体は比較的楽になっています。また、各大学複数併願の場合には受験料が割引になるシステムを設けていることが多いので、各自チェックしていただければと思います。

10校をどう組むか

では、10校の受験校をどう組んでいくか。これは志望する学問系統や成績によって大きな差が出るところですが、一応の標準パターンを書いておきます。

  • 第一志望校:1校(国立第一志望の場合には、センターの出来により2〜3校候補を出しておく)
  • チャレンジ校:2校
  • 実力相応校:3校
  • 抑え:2校
  • 滑り止め:2校

 「チャレンジ校」は主に模試の判定でD、「実力相応校」はC程度の学校を指します。

次に「抑え」と「滑り止め」の差について説明しましょう。「抑え」は判定B〜Cでかつ、“合格したら進学する可能性がある”学校群を指します。「滑り止め」は判定B〜Aで、“合格しても恐らく進学しない”学校群です。今年絶対に決めたい生徒の場合には、受かったところであればどこでも進学し、かつ絶対に合格をとらなければいけないため「抑え」と「滑り止め」の違いが消滅します。判定B〜Aの学校を4校程度出願することになります。一方で、あるレベルを下回ったら浪人をする生徒の場合、「滑り止め」を受けなくてもよいと思われがちですが、それはかなり危険です。最悪浪人する場合であっても、今年どこかで一校でも合格を取れている場合とすべて落ちてしまった場合ではメンタルが大きく変わってきます。よって「滑り止め」は設定しておいた方が無難でしょう。

入試のリアル

第一志望校から実力相応校までは、現段階までで大分定まってきていることと思います。一方で、抑えと滑り止めについてはまだ詳細な検討がなされていないかもしれません。

実際のところ、生徒達に抑えと滑り止めを検討するよう指示を出したとき、生徒達が持ってくる候補は大抵「レベルが高すぎ」ます。特に滑り止めについては「メンタル最悪(試験初回、あるいはうまくいかない試験を連続して経験した後の試験)」でかつ「体調最悪(風邪や場合によってはインフルエンザ)」であっても合格するレベルである必要があります。38度の熱が出て、試験会場で意識混濁していても受かるレベルです。このレベルを高く設定してしまうと、万が一うまくいかなかったときに「滑り止めすらうまくいかない、この後の試験がうまくいくわけがない」と負のスパイラルに落ち込んでしまいます。

具体的には、早慶を第一志望にするレベルの生徒であっても、大東亜帝国レベルを滑り止めとして受験する場合があります。そう考えると、第一志望がGMARCHの場合にはその一段下になりますし、日東駒専レベルの場合にはさらにその一段下になります。一昔前の日東駒専レベル以下がとても入りやすかった時代と異なり、近年ではBFランク(倍率が1倍を切っている大学群)と呼ばれる大学群がほぼなくなりつつあります。よって、状況次第では志望校に専門学校なども混ぜておく必要があるでしょう。

「抑え」や「滑り止め」の学校は比較的早い時期に試験が行われることもあり、その試験の成否が受験全体の流れを決めてしまう可能性がありますので、我々講師も細心の注意を払って選定のアドバイスを行います。保護者の方からすると場合によっては「えっ? そんなレベルを受けるの?」と思われることがあるかもしれませんが、状況をご理解いただければ幸いです。

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